「ARはどんなときに使えばいい?」「手順書にどう組み込むの?」というご質問にお答えします。Diveでは、AR(拡張現実)は手順書の主役ではなく、手順書の要所に“添える”補助機能として使うのがおすすめです。本記事では、ARが効く場面(使いどころ)と、手順への設定方法をご紹介します。
基本の考え方:まず手順書の土台、ARは必要な手順だけ
手順書づくりの基本の流れは次のとおりです。
- まず手順書の土台を作る(動画・画像、または既存PDFの取り込み)
- そのうえで、必要な手順にだけARを設定する
すべての手順をARにする必要はありません。むしろ、「全部AR」は推奨していません。多くの作業は動画・画像・文章で十分に伝わり、ARはそれだけでは伝わりにくい「現物のどこか」を示したいときに、要所で効果を発揮します。基本は2D(動画・画像)で作り、ARは“ここぞ”という手順に絞って添えるのが、作りやすく・使われやすい手順書になります。
土台の作り方は2通り
ARを添える前の「土台の手順書」は、状況に合わせて次のどちらかで用意します。どちらの場合も、後から要所の手順にARを足す流れは同じです。
なお、土台づくりや文章の作成・編集は、画面の大きいPCで行うのがおすすめです。動画・画像の編集、PDFからの取り込み、文章やコツ・注意事項の入力、AIによる文章整理など、作り込みの作業はPCのほうが効率的に進められます。一方で、ARオブジェクトの配置だけはスマホアプリ(AR対応デバイス)で行います。「作成・編集はPC、ARの配置と現場での閲覧はスマホ」と役割を分けて考えると分かりやすくなります。
① 新しく作る:動画・画像から
これから手順書を作る場合は、動画や画像で手順書を作成します。作業の流れや手元の動きは、動画・画像で分かりやすく伝えられます。
② 既存の手順書を活かす:PDFから作成(おすすめ)
すでに紙・PDF・PowerPointのマニュアルをお持ちの場合は、[PDFから作成] で取り込んで一気に手順書化し、要所だけARを添えるのが、もっとも手早い始め方です。
- ゼロから作り直さず、既存の資産をそのまま活かせます
- PDFを取り込むと1ページ=1手順で自動的に手順書になります
- そのうえで、現物の場所を示したい数手順にだけARを設定すれば、短時間で「AR付きの手順書」が完成します
PDFからの作成手順は PDFから手順書を作成する をご参照ください。
ARが効く場面(使いどころ)
ARは、現物に情報を重ねて直感的に伝える機能です。スマホをかざすだけで使えます。次のような「場所・位置を伝えたい」場面で特に効果的です。
- 「どこを触る/見る/開ける」を示したいとき:大型設備や複雑な機器で、対象の場所を現物上で指し示せます
- 点検エリア・危険ゾーンの周知:空間に範囲やマークを重ねて、注意箇所を直感的に伝えられます
- 新人が現物の前で迷うポイント:「この弁」「このスイッチ」を、写真の説明よりも確実に伝えられます
- 現物が大きく、写真では位置関係が分かりにくいとき:実物に重ねることで位置関係が一目で分かります
逆に、ARを使わなくてよい場面
次のような場面は、動画・画像・文章のほうが向いています。無理にARにする必要はありません。
- 手元の細かい作業や、画面・端末の操作 → 動画や画像で十分
- 作業の順序・判断・コツ・注意事項 → 文章や設問で表現
- ネットワークが弱い場所や、スマホをかざしにくい作業状況
手順へのARの組み込み方
ARは手順ごとに設定します。なお、ARオブジェクトの配置・編集はスマホアプリ(AR対応デバイス)で行います。PCブラウザでは、ARの有効化や位置合わせの設定までを行い、オブジェクトの配置はスマホアプリで行う流れになります。
ステップ1:まず土台の手順書を用意する
前章のとおり、動画・画像で作成するか、[PDFから作成] で既存マニュアルを取り込んで、手順書の土台を用意します。
ステップ2:ARを付けたい手順で「使う」をオンにする
手順の編集画面にある [AR(拡張現実)] セクションで、[使う] のスイッチをオンにします。PCでの編集時点で、これはARを使ったほうがいいな、と思うところは一通りオンにしておきましょう。(注意:現在、動画手順にAR設定はできないので、画像かPDFの手順に対して実施ください。動画手順のみの場合は、あらたに手順を追加してください)
ステップ3:ARで表現したい場所をスキャンする(ここからスマホアプリ)
ARを現実のどこに表示するかの「位置合わせ」を設定します(詳細は次の章)。各手順毎で場所や対象物が異なる場合、それぞれでスキャンデータを用意する事を推奨します。
具体的なやり方はARの設定方法の「スキャンデータを作成」を参照してください。
ステップ4:ARオブジェクトを配置する(スマホアプリ)
[AR編集] ボタンから、スマホアプリ(AR対応デバイス)でARオブジェクトを配置します。矢印やマークなどを現物に重ねて配置できます。
具体的なやり方はARの設定方法の「ARを編集」を参照してください。
ARオブジェクトが配置されると、閲覧時にその手順へ [ARで見る] ボタンが表示されます。逆に、ARを「使う」にしていてもオブジェクトが未配置の手順では、閲覧時にARボタンは表示されません。
スマートグラスでの閲覧について
設定したAR手順は、スマホだけでなくARグラスでも閲覧できます。両手がふさがる作業では、グラスで手順を見ながら現物にARを重ねられます。対応デバイスや操作方法は、こちらをご参照ください。
まとめ
- 手順書はまず土台を作る(新規は動画・画像/既存は [PDFから作成] で取り込み)
- ARは必要な手順にだけ添える(全部ARにしない)
- 使いどころは「現物のどこか(場所・位置)を伝えたいとき」
- 設定は手順ごとに [使う] → 位置合わせ → [AR編集](オブジェクト配置はスマホアプリ)
- 役割分担は「作成・編集はPC、ARの配置と現場での閲覧はスマホ」