組織やグループで「手順書はこう書く」という書き方を定めておくと、AI整理がその書き方の言い回し・粒度に従って手順書を整えるようになります。書き手や部署で表現がバラつきがちな手順書を、組織の基準で揃えるための機能です。
書き方は、一度書いて終わりではありません。公開前チェックでの採否や、承認での差し戻しといった現場の判断が記録され、そこから書き方が日々育っていきます。育て方は後述の「現場の記録から育てる」をご覧ください。
この「書き方」は、辞書・テンプレの[作成ルール]タブに、規程(何に従うか)・出力フォーマット(どの様式で出すか)と並んで置かれています。旧称は「手順書作成方針」です。
書き方とは
グループ単位で設定する、手順書の書き方の言語化されたルールです。次の3つで構成されます。
- 言い回し・書き方:常体/敬体、1手順1動作、専門用語の社内呼称など、文体や粒度のルール
- 禁止事項:使ってほしくない表現や言い回し
- 一般的な言い回し:社内でよく使うフレーズ。見本手順書から自動抽出され、編集も可能
定めた書き方は、AI整理や公開前チェックの基準として使われます。
書き方を設定する
- グループ管理画面から、対象のグループの 「手順書の書き方」 パネルを開きます(辞書・テンプレの[作成ルール]タブ →[書き方]からも開けます)
- 「言い回し・書き方」「禁止事項」「一般的な言い回し」をそれぞれ入力します(後述の「見本から自動生成」も使えます)
- [保存] をクリックします
見本から書き方を自動生成する
「文章で書き起こすのが大変」という場合は、見本となる手順書やマニュアルファイルからAIに書き方を生成させることができます。
- 「見本手順書」セクションで [見本を追加] をクリックします
- 追加方法を選びます
- ファイルから:既存マニュアルのPDFや画像など
- Dive内手順書から:すでに作成済みの社内手順書を選択
- 見本を登録後、[見本から書き方を生成] をクリックすると、AIが「言い回し・書き方」「禁止事項」「一般的な言い回し」の下書きを作成します
- 生成結果を確認し、必要に応じて編集してから保存します
書き方をAI整理に反映する
手順書の編集中や、動画のAI整理の実行オプションにある「文章スタイル・口調」で、書き方が設定されているチームでは [方針に従う] を選べます。これを選ぶと、AI整理は書き方で定めた言い回し・粒度に沿って各手順を整えます。
公開前チェック(編集中の手順書を確認する)
手順書編集画面の[公開]の右にある [その他] メニューから [公開前チェック] を開きます。編集中の手順書を次の7つの軸で確認できます。開いた軸だけを実行するため、見たい軸だけを確かめられます。
- 決めたこと:作る前のAI相談で決めた目的・読む人・種別・範囲を表示します
- 規程:登録した規程の原文をページ単位で読みながら照合し、出典(規程名とページ)と原文の引用つきで指摘します
- 書き方:各手順を書き方と照らします
- 出力フォーマット:いまの中身に合う様式か、その様式で出すと落ちる内容がないかを見ます
- 格納フォルダ:似た手順書が多くあるフォルダーを示します
- 公開の理由と概要:公開依頼で入力する理由と概要の下書きを出します
- タグ:付けるべきタグの不足を示します
手順書を作る前に「作る前のAI相談」で内容を決めている場合は、決めた内容との差分で判定します。決めた内容がない場合は、手順書の中身から推測して判定します。どちらで判定しているかは画面に表示されます。
書き終えた手順書のレビューや、他の作成者がつくった手順書の品質確認にご利用ください。
規程から取り込む
社内の規程のファイルがある場合は、そこから読み取ることもできます。[辞書・テンプレ]→[作成ルール]→[規程]を開きます。PDF・Word・Excel を読めます。手順書の作り方を定めた規程だけでなく、品質マニュアルや安全衛生規程のような業務そのものを定めた規程も登録できます。
- [ファイルを追加]で規程のファイルを追加します。関係するものをまとめて追加して構いません
- [規程を読み取る]をクリックします
- 読み取った内容が「種別カタログ」「必ず書く項目」「禁止事項」「言い回し・書き方」「粒度」として並びます
- 内容を確認し、[保存]で確定します。ファイルの追加も取り外しも、[保存]を押すまでは確定しません
複数の規程のあいだで書かれていることが食い違う場合は、「規程が食い違っているところ」に出典つきで一覧表示されます。1件ずつ[こちらにする]で決められますが、決めないまま使い始めることもできます。手順書を作るときに、その場で選ぶこともできます。
読み取った規程は、手順書を作る前の整理と公開前チェックの判断根拠として使われます。規程から見つかった「書き方に関する決まり」は、[書き方に取り込む]でこの書き方へ足せます。足すだけで、既存の行は書き換えません。
現場の記録から育てる
公開前チェックで指摘を採用したか見送ったか、対応不要と判断したか、承認で差し戻された理由といった日々の記録から、書き方と、規程の読み取りの両方の更新案を作れます。更新は1日1回、サーバー側で自動的に行われます。記録はそのチームの中にだけ保存し、AIモデルそのものを学習・再学習させることはありません。
手順書を作って確認して公開する、という普段の運用を続けるだけで、書き方が現場に近づいていきます。書き方を見直すための作業時間を別に取る必要はありません。
設定は管理設定の「現場の記録から育てる」で行います。オーナーが選ぶのは、次の1つだけです。
- 自動で更新する(既定):作られた更新案がそのまま書き方と規程の読み取りに入ります
- 自動で更新しない(提案だけ出す):どちらにも自動では入らず、更新案が溜まります。内容を見て採るかどうかを決められます
自動で入るのは「増える向き」だけです。書き方に行を足す、規程の必須の欄を足す、粒度を見直す、までが自動で、必須の欄を外す見直しと、書き方の既存の行の書き換えは、必ず人が決めます(検査が緩くなる向きの変更は、間違っていても指摘が減るだけで気づけないためです)。自動で入った分も理由とともに更新履歴に残り、前の版に戻せます。書き方のパネルの[提案を作る]から、その場で更新案を作ることもできます。
書き方がまだ無いグループでは、公開済みの手順書と登録済みの規程から初版を作ります。
更新履歴を見る・前の内容に戻す
書き方のパネルの「更新履歴」を開くと、いつ・誰が・何を変えたかが1行ずつ並びます。各行の[詳細]からその時点の内容を確認でき、そこからその版に戻せます。
- 手動保存:人が保存したもの。保存した方の名前が表示されます
- 自動生成:日次の自動更新によるもの。更新者は「システム」と表示されます
- 復元:過去の版に戻したもの
- 開始時点:履歴を取り始める前の内容。自動更新が入る前の状態に戻したい場合はこれを選びます
見本手順書も履歴と復元の対象です。戻すと、その保存時点の書き方と見本がまとめて元に戻ります。
規程にも同じ更新履歴があります。規程の場合は、規程のファイルもまとめて元に戻ります。
うまく使うコツ
- まずは1つのグループで小さく試し、運用がまわってから他のグループへ展開すると良いでしょう
- 「見本手順書」は社内で『これが理想』と言える手順書を選ぶのがおすすめです
- 生成された書き方はあくまで下書きです。実情に合わせて編集してから保存してください
関連
- 既存マニュアルから内容を取り込むには 関連ファイルからAI抽出して手順書に反映する
- 用語の表記揺れを揃えたい場合は 表記ゆれを統一する(表記統一辞書)