「作業分析」を、目的別に3つの機能へ分けました。これまでの作業分析は、要素ごとの時間を測って標準作業を作るための一本道で、始めるまでに手順書や要素の作り込みが必要でした。多くのお客様から「もっと手軽に動画をAIに見てほしい」「手順書どおりにできているかを見たい」というご要望をいただいており、今回それぞれを独立した機能としてご用意しています。作業分析はProプラン以上の機能です。
①作業分析を、前提の軽い順に3つへ分けました
サイドバーの「作業分析」の下が、次の3つに分かれました。同じ「動画をAIに見せる」でも、始めるために必要なものがそれぞれ違います。
- かんたん分析 … 動画1本だけ。手順書も標準時間も要りません
- 手順書と比較 … 手順書どおりにできているかを見ます。手順書が必要です
- 時間分析 … 要素ごとの時間を測り、標準作業を作って改善します
これまでの作業分析は、そのまま「時間分析」に引き継がれています。作成済みのプロジェクト・お手本動画・比較結果はすべて残っており、開く場所がサイドバーの「時間分析」に変わっただけです。
②かんたん分析 ─ 動画1本だけで、改善ヒントと危ない箇所
多くのお客様から「手順書を作る前に、まず動画をAIに見てもらいたい」というご要望をいただき、新しく追加しました。動画を1本選ぶだけで始められます。手順書も、要素の作り込みも要りません。
●出るもの
- 危ない箇所 … 人がけがをするおそれのある場面(保護具の未着用、動いているものに手が近い、不安定な姿勢、高所での支えなし など)と、不良につながるおそれのある場面(部品を落とす・引きずる、面を汚す、確認の飛ばし など)を、けが/不良の別と重大度つきで挙げます
- 改善ヒント … ムダ・持ち替え・探し物など、作業の組み立てに関する気づきを挙げます
結果の画面では、指摘をクリックするとその時刻の映像へ飛び、映像の中の該当箇所に枠が出ます。
●始め方
- サイドバーの[作業分析]→[かんたん分析]を開き、右上の[かんたん分析を始める]を押します
- 動画を選び、「どんな作業か」を一言だけ入れます(任意ですが、入れると見当外れな指摘が減ります)
- 公開範囲(自分のみ/グループ/チーム全体)を選んで[分析する]を押します
素材の一覧・素材カードにある[この素材で作業分析]からも、かんたん分析と時間分析のどちらで始めるかを選べます。解析が終わるとメールでお知らせします。
●ご注意
改善ヒントは、動画AI解析(手順書化のためのAI処理)が済んでいる素材でのみ出ます。まだAI解析していない動画では、危ない箇所の検出だけが実行されます。なお、これまで時間分析のSTEP1にあった「AI改善提案」は、このかんたん分析へ移しました。時間分析の中では表示されなくなりますが、これまでに出した提案はExcel出力の改善提案シートにこれまでどおり残ります。
③手順書と比較 ─ 手順どおりにできているかを確認
こちらも多くのお客様からのご要望を受けて追加しました。作業者の動画を手順書と突き合わせ、手順どおりにできているかをAIが確認します。手順ごとに「実施」「抜け」「順序違い」「未確認」が付き、危ない箇所もあわせて挙げます。AIが出すのは参考所見であり、合否は判定しません。最終的な判断は指導される方が行ってください。
●手順書からでも、AI処理済みのファイルからでも比較できます
右上の[比較を追加]から[手順書から][ファイルから]のどちらかを選びます。「ファイルから」では、既存のExcel・Word・PowerPoint・PDFのうちAI処理が済んでいるものを基準にできます。まだDiveで手順書にしていない作業標準書がある場合も、そのファイルのまま比較の基準にできます。
追加のときは、基準にする手順書・ファイルの名前と[内容を確認]が出ます。手順書はプレイヤーで、ファイルはAI処理結果の確認画面で、そのまま中身を見てから決められます。
●対象者ごとに結果が残ります
比較には対象者(実施者)を設定します。結果は一覧に対象者・基準・実施日・状態で並び、対象者ご本人の個人ページからも見られます。ご本人の画面では、手順の抜けや順序の違い、アドバイスを日々の作業に役立てていただけます。
公開範囲は比較ごとに設定でき、権限のない方の結果は一覧に出ません。
●版のずれが分かるようになりました
- 比較が基準にした版が最新の公開版より前のときは、一覧と詳細に「旧版」と表示します。詳細の見出しには、その比較が実際に比べた版を出します
- 基準にした手順書・ファイルが削除された比較は、これまで一覧から理由も出ずに消えていました。「削除済み」の印を付けて結果はそのまま見られるようにし、新しい比較の追加と再解析だけを止めるようにしました
●手順書からも比較を始められます
手順書カードの[…]メニューから直接「比較」へ進めるようになりました。エディタを開かずに始められます。なお、下書きの手順書は比較の基準にできません(公開済みの版を正とするためです)。
④時間分析 ─ 測定の精度を上げ、基準がぶれないようにしました
繰り返し作業で「周期ごとの要素の数が揃わない」「直したのに反映されない」という状態が起きていました。原因を切り分けて、次のように直しています。
●時間分析専用の動作抽出に切り替えました
これまでは、手順書を作るための動画AI解析の結果を時間分析でも使っていました。手順書としては2周目以降をまとめるのが正しいのですが、時間分析では周期どうしの対応が取れなくなります。時間分析には「繰り返しでもまとめない」ことだけを目的にした専用の抽出を用意し、全周期を同じ細かさで書き出すようにしました。抽出結果は素材に保存されるので、同じ動画を別のプロジェクトで使うときは2回目以降は再利用されます。
あわせて、映像に焼き込まれたタイムコードをAIに読ませるようにし、時刻を読み取る細かさも上げました。これまで時刻が1秒刻みに丸まりがちだったものが、実際の切れ目に沿った値で出るようになり、周期として正しく取れる回数も増えています。
●分析する範囲を指定できるようになりました
撮り始め・撮り終わりで周期が欠けていると、要素の数が揃わずお手本の位置合わせが崩れます。解析の前に分析する範囲を指定できるようにしました。両端のつまみをドラッグして範囲を決めます。動画そのものは切りません。
●要素を編集しても結果に反映されない不具合を修正しました
要素の名前を1文字変えただけで比較から外れる、1回だけ要素を割っても反映されない、表の行が勝手に増減する、といった状態が起きていました。表示のたびに全周期から基準の並びを推定し直していたため、要素を1つ編集するだけで基準そのものが動いてしまうことが原因です。
基準となる要素をプロジェクトに保存するようにして修正しました。既定はAI解析の結果から一度だけ作り、以後はどれだけ編集しても動きません。再解析すると作り直され、[初期化]で既定に戻せます。
あわせて、サイクル調整の画面で基準そのものを編集できるようにしました(追加・削除・並べ替え・名前の変更)。要素の分割・結合・追加・削除、基準への割り当て、取り消し/やり直しも行えます。「基準との対応」の帯で、その回に何があって何が無いかを一目で確認できます。
●お手本の選び方を見直しました
- お手本に採用する回は、要素の数が揃っている回に限りました。要素が欠けた回は合計が小さくなるだけで、選ばれると要素の足りないお手本ができてしまうためです
- これまで中央値を使った上下限で候補を絞っていましたが、停滞を含む動画では正当に速い回まで除外されていたため、単純に最短の回を採るようにしました
●対象者の測定も手で直せるようになりました
対象者(若手)との比較で、AIが取りこぼした要素をこれまでは直せませんでした。今回、対象者側にも要素の分割・次と結合・未検出に戻す・取り消し/やり直しを入れ、未検出だった要素に測定を足せるようにしています。
また、比較の結果は「AIが整列に使ったときの標準」を基準に表示するようになりました。あとから標準側の要素を足す・消す・並べ替えても、出ている結果の意味が黙って変わることはありません。いまの標準と食い違っているときは、その旨と再解析の入口を画面に出します。
既存のお客様への影響
これまでの作業分析のプロジェクト・結果はすべて残っています。開く場所がサイドバーの「時間分析」に変わりました。時間分析のSTEP1にあった「AI改善提案」は「かんたん分析」へ移動しています。設定の変更をお願いするものはありません。
関連情報
作業分析 STEP6 比較:対象者の作業動画と標準を比較する(習熟度の可視化)
作業分析の結果をチーム/グループに共有する(公開範囲の設定)
今後ともDiveをよろしくお願いいたします◎