新人教育の進め方として広く使われている「仕事の教え方」(TWI の JI)の4段階(習う準備をさせる → 作業を説明する → やらせてみる → 教えた後を見る)に沿って、Dive のどの機能をどこで使うかをまとめたガイドです。あわせて、教育の効果を何で測り、どう判断するかを、活用レポートの経済効果(ROI)の使い方とともに説明します。
このガイドは、スキルマップの自動評価を使う前提で書いています。コースの修了や手順書のひとり立ちから、新人のスキルレベルが自動で上がり、その根拠も育成記録に自動で残ります。人が入力するのは、最初の紐づけと、見極めで直す点があったときだけです。手順書・コース・確認テスト・紐づけは AI が下書きや候補を出すので、人は確かめて直すことが中心になります。
コース(確認テスト)・手順ごとの設問・スキルマップ(自動評価)・資格は Core, Pro, Enterprise プラン、作業分析(手順書と比較・時間分析)と帳票へのリンクの差し込みは Pro, Enterprise プランでご利用いただけます。自動評価のチーム全体の設定と、活用レポートの [経済効果・ROI] は、オーナー/チーム管理者が行えます(見られます)。
こんなときに
| 困っていること | このガイドで見る所 |
|---|---|
| 教える人によって、教える内容や教え方がばらつく | 準備:作業を手順書にし、自動評価を設定する/2. 作業を説明する |
| 記録をつける手間をかけたくない(評価の入力を減らしたい) | 準備:自動評価を設定する/3. やらせてみる(見極め) |
| ベテランが新人に付きっきりになり、本来の仕事が止まる | 2〜4 の各段階(人が付く所を、見極めに集める) |
| 新人がどこでつまずいているのか、わかっているのかが見えない | 3. やらせてみる |
| 教育の効果を何で測ればよいか、目標をどう決めればよいかわからない | 指標を決める |
| 効果を費用対効果(ROI)として社内に示したい | 費用対効果に換算する |
| 続けるか・広げるかをどう判断すればよいかわからない | 判断する |
「仕事の教え方」(TWI-JI)とは
TWI(Training Within Industry)は、第二次世界大戦中の1940年から1945年にかけて米国政府が行った、企業内の監督者向けの訓練です。熟練した人が兵役で抜ける一方で増産を求められた工場で、新しく入った人を早く一人前にするために作られました。「仕事の教え方」(JI:Job Instruction)はその講座の一つで、作業を手順に分け、急所とその理由を示してやって見せ、やらせてみて直し、だんだん指導を減らしていく教え方を、4段階にまとめています。
日本には戦後、占領軍によってもたらされ、1950年に導入されて、労働省(現在の厚生労働省)が普及させました。1955年には、現在の厚生労働省・経済産業省・日本経団連によって日本産業訓練協会が設立され、今も同協会などが講座と教材を提供しています。トヨタが自社向けに整えた TTWI(Toyota Training Within Industry)として取り入れたことでも知られ、1995年までに日本で10万人近い TWI のトレーナーが認定されています。
JI では「相手が覚えていないのは、教える側が教えなかったからだ」(If the worker hasn't learned, the instructor hasn't taught)という考え方を掲げています。教える人によって覚え方が変わらないようにする、という点で、手順書で教え方をそろえる Dive の使い方と同じ考え方です。出典は、このページの最後の「参考」をご覧ください。
4段階と Dive の対応
| 段階 | 人が教えるときにやること | Dive でやること | 使う機能 |
|---|---|---|---|
| 1. 習う準備をさせる | 何の作業を、いつまでに覚えるかを伝える。今どこまで知っているかを確かめる | 手順書をコースにまとめ、期限を付けて割り当てる。新人は自分のやることを一覧で確認する。身につけるスキルとレベルを示す | |
| 2. 作業を説明する | 主なステップを一つずつ、言って聞かせ、やって見せる。急所を強調する | 動画手順書でやって見せ、手順ごとの文章と急所の欄で言って聞かせる。確認テストで伝わったかを確かめる。合格してコースを修了すると、スキルが自動で上がる(例:Lv2) | |
| 3. やらせてみる | やらせてみて、間違いを直す。急所を言わせる。わかったとわかるまで確かめる | 手順ごとの設問で、間違えたらその場で正しいやり方に戻す。自分の作業を撮り、手順書と比べて確かめる。関連手順書をすべてひとり立ちでやり切ると、スキルが自動で上がる(例:Lv3)。見極めでは、上がったレベルが実際の作業に合うかを確かめる | |
| 4. 教えた後を見る | 仕事につかせる。わからないときに聞く人を決める。たびたび様子を見て、だんだん指導を減らす | 現場で該当の手順をすぐ開けるようにする。育成担当を決める。自動で残る記録で様子を見る |
人が教える場合、新人には4段階のどこでもベテランが付き添うのが普通です。何を覚えるかを伝え、作業をやって見せ、練習の横に付き、仕事についた後も、呼ばれるたびに手を止めて教えます。
Dive では、2の説明を動画手順書と確認テストに、3の繰り返しの練習を手順ごとの設問と手順書と比較に任せられるため、この2つの段階でベテランが付きっきりで教える必要がなくなります。新人は動画を何度でも見返せ、間違えたらその場で正しいやり方に戻されるので、横で見ている人がいなくても練習が進みます。
それでも人が要るのは、次の場面です。付き添う時間は、3の見極め(技能の確認)に集めます。
- 3の見極め:自動評価で上がったレベルが、実際の作業に合っているかを立ち会って確かめる。比較の結果で見る所を絞ってから立ち会う
- 1の最初の声かけ:何のために、いつまでに覚えるかを伝え、不安を聞く
- 4の様子見:わからないときに答え、自動で残る記録で様子を見ながら、だんだん指導を減らす
動画を見せるだけでは、練習の間ずっと横に付く時間が残ります。設問と比較で、新人が自分で確かめられる形にすることが要です。
社内で「動画視聴 → 理解度テスト → 実習 → 技能テスト → 現場投入」のような段階を決めている場合は、動画視聴と理解度テストが2、実習と技能テストが3、現場投入が4にあたります。
準備:作業を手順書にし、自動評価を設定する
作業を手順書にする
- 作業標準書やチェックシートの項目(項番)ごとに、1本の手順書にします。ベテランの標準作業を撮り、間違えやすい作業は NG の例も撮っておきます
- 撮った動画をアップロードすると、AI が手順に分け、手順ごとの文章と設問を作ります。人は内容を確かめて直すだけです(AI処理オプションの各項目と選び方)
- 作業標準書(PDF/Excel/Word)がすでにある場合は、動画の AI 解析で [参考にする作業手順書](β)に指定すると、資料のステップ数・順序・見出しのとおりに動画を手順に分けられます(動画解析で参考手順書を指定する(β))。動画が無い作業は、作業標準書のファイルから手順書を作ると、AI が作業内容・コツ・注意・安全に分けて書き起こし、設問も作ります(ファイルから手順書を作成する(Excel/Word/PowerPoint 対応))
- 急所は、手順ごとの [品質注意](できばえを左右すること)・[安全上の重要事項](けがにつながること)・[作業のコツ](やりやすくすること)に分けて書きます。AI が書いた内容を確かめ、足りない急所と、その理由を書き足しておくと、守られやすくなります
- NG の例は、該当する手順の直後に置くと、正しいやり方との違いが伝わりやすくなります
- 手順書は、フォルダに項番の順で並べます。活用レポートや手順書ごとの閲覧記録の手順書の表が、この並びで表示されます
自動評価を設定する(最初の1回だけ)
コースや手順書の実績から、スキルレベルを自動で上げる紐づけを作ります。ここで決めておけば、教育が進むたびに人がレベルを付け直す必要はありません(コース修了・資格取得・手順書の実績でスキルレベルを自動更新する)。
- コースの [身につくスキル] でスキルと [到達レベル] を選びます(例:Lv2「指導を受けながら実施できる」)。確認テストに合格してコースを修了すると、このレベルまで自動で上がります
- スキルの [紐づけ] タブで関連手順書を選び、[すべて完了したときの到達レベル] を選びます(例:Lv3「1人で実施できる」)。紐づけた手順書をすべてひとり立ちでやり切ると、このレベルまで自動で上がります
- 関連手順書は1本ずつ選ばなくても、[スキルマップを編集] → [その他] → [AIで手順書を一括紐づけ] で、AI がスキルごとに合う手順書を提案します。候補を確かめて [確定] するだけです(スキルマップで手順書をAIに一括紐づけてもらう)。スキルマップそのものは、業種テンプレートから作れます(スキルマップを業種テンプレートから作成する)
- [教育管理] → [育成] → [共通設定] → [自動評価] は、既定のまま使えます([自動評価を使う]:オン、「関連手順書の実績で上げる」:ひとり立ちで完了したときだけ、[更新のしかた]:レベルまで自動で確定する)。評価者を必ず人にしたい場合は、[更新のしかた] を [育成記録だけ残し、レベルは人が確定する] にします
- ひとり立ちを厳しく見たいときは、同じ枠の [ひとり立ちとみなす回数] を「別の日に2〜5回続けて」にします(既定は「1回でよい」)。その場で繰り返して1回通っただけでは上がらず、日を変えても誤らずに実施できた人が上がります
- 各レベルで何ができればよいかを、評価基準に書いておきます。チームの標準は [共通設定] → [評価基準] で、スキルごとの違いは各スキルの編集画面で書けます(チーム共通のスキルを定義する(スキルマップの共通設定))
自動評価はレベルを上げる方向にだけ働き、人が後から決めたレベルは上書きしません。どのコース・どの手順書を根拠に上がったかは、育成記録に自動で残ります。
1. 習う準備をさせる
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この段階で使う機能 |
- 手順書を作っておけば、コースづくりは AI が手伝います。コースの [手順書] の横にあるロボットのアイコン(AIで手順書を提案)を押すと、AI がコースに入れる手順書の候補を出します(「このコースに役立つ手順書を提案してください」が最初から入っています)。コース名と説明も、[コース名] の横のロボットのアイコン(AIでコース名・説明を生成)で、追加した手順書の内容から作れます
- 覚えてほしい手順書をコースにまとめ、[受講順序: 前の手順書を完了するまで次を開けない] で見る順番を固定します(教育機能:コースの作り方・割り当て方・到達状況の見方)
- コースを新人やグループに割り当て、期限を付けます
- 新人は、トップページの [習得] タブ(または個人ページの [教育] タブ)で、自分に課された未完了のコースを期限が近い順に確認できます
- スキルマップで、身につけるスキルと、新人が今どのレベルにいるかを示します。新人がスキルを開くと [このスキルの身につけ方] に、身につくコースと到達レベル、関連手順書ごとのひとり立ちの状況が並ぶため、何をやればレベルが上がるかを自分で確かめられます
2. 作業を説明する
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この段階で使う機能 |
- 動画手順書で、ベテランの作業を手順ごとに見せます。手順ごとの文章と急所の欄で、何に気をつけるかを伝えます。新人は何度でも見返せます
- コースに確認テストを付けて合格ラインを設け、[確認テスト: 合格をコース完了の必須条件にする] で、伝わったかを確かめます。確認テストの問題は、コースに入れた手順書の内容から AI が作ります(確認テストのロボットのアイコン「AIで問題を生成」)。[選択肢の並びを受験のたびに入れ替える] で、答えの位置を覚えて選ぶのを防げます
- 確認テストに合格してコースを修了すると、自動評価でスキルが [到達レベル](例:Lv2)まで上がります。人の入力は要りません
- 点数と受験の履歴は、新人ごとに残ります。別の仕組みで筆記テストを作っている場合は、確認テストに入れ直すと、結果が新人ごとの記録とスキルマップにつながります
- 間違いの多い問題は、手順書の説明が足りていない箇所です。手順書を直す材料にします
手順ごとの設問と確認テストの使い分けは、手順書の設問と確認テストを使い分けてスキルを評価する をご参照ください。
3. やらせてみる
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この段階で使う機能 |
繰り返しの練習
- 手順ごとの設問は、手順書を作るときに AI が作ります。同じ確かめ方を多くの手順に入れるときは、設問テンプレートで一括で入れられます(設問テンプレートの作り方と使い方(複数の手順に一括適用))
- 練習用の設備の横で手順書を開き、手順ごとの設問で確かめながら作業します。設問は、正解するまで次の手順へ進めない既定の動きのまま使うと、間違えた時点で正しいやり方に戻せます(手順毎の設問設定)
- 一度も誤らずに最後までやり切ると、ひとり立ちの1回として記録されます(何回でひとり立ちと認めるかはチームの設定で、既定は1回です)。コースの [完了判定: 手順書の設問を間違えたら完了にしない] をオンにすると、誤らずに最後までやり切ることをコース完了の条件にできます
- 紐づけた関連手順書をすべてひとり立ちでやり切ると、自動評価でスキルが [すべて完了したときの到達レベル](例:Lv3「1人で実施できる」)まで上がり、根拠が育成記録に残ります
- 設備に QR コードを貼っておくと、手順書をすぐ開けます(QRコードを印刷したい/共有URLをコピーしたい)
- 自分の作業を撮って [手順書と比較] にかけると、手順ごとに実施・抜け・順序違いを確かめられます。結果は本人の個人ページの [比較] タブからも見られます(手順書と比較:手順どおりにできているかを確認する)
- どの確認ポイントで何人が間違えているかは、手順書ごとの閲覧記録の [つまずきマップ] で確認できます(手順書ごとの閲覧記録を確認する)。つまずきの多い手順を、練習の重点や、手順書を直す対象にします
見極め(技能の確認)
- 立ち会う前に、新人の作業動画をお手本の動画と比べておくと(作業分析の時間分析:対象者との比較)、作業ごとの時間の差・抜け・順序違いを先に把握でき、立ち会いの的を絞れます(作業分析 STEP6 比較:対象者の作業動画と標準を比較する)。比較の結果は参考所見です。合否は立ち会う方が判断します
- 合格の基準は、スキルマップの4段階の評価基準です。既定は「Lv1 補助をできる」「Lv2 指導を受けながら実施できる」「Lv3 1人で実施できる」「Lv4 指導をできる」です。見極めは、自動評価で上がったレベル(多くの場合「Lv3 1人で実施できる」)が、実際の作業に合っているかを確かめる場です。準備で評価基準に書いた「そのレベルで何ができればよいか」(標準時間に対してどこまでか、どの急所を守れているか など)に照らすと、立ち会う人によって判断がぶれません
- 技能の確認に使う記録の様式を手順書と同じ項番で作ると、比較の結果と突き合わせやすくなります
- 合っていれば、入力は要りません。レベルは自動評価が上げ、根拠も育成記録に残っています
- 足りないときだけ、新人の個人ページの [育成] タブでスキルを開き、[レベル変更] でレベルを戻して、[育成記録を追加] に直す点を残します。人が決めたレベルは自動評価で上書きされません。もう一度見極めて合格したら、[レベル変更] で上げます。記録には記録した人の名前も残り、グループ管理者以上の方のほか、同じグループの方や、そのスキルの育成担当も記録できます(メンバーのスキルレベルを設定する)
- 一度ひとり立ちになった後に誤った人や、手順書を改訂した後の版をまだ実施していない人には「要再確認」の印が付きます(スキルマップのセルの点・個人ページの [育成]・教え子の一覧)。見極めに立ち会う相手を選ぶときの目安にします
- 評価者を必ず人にする運用([育成記録だけ残し、レベルは人が確定する])では、見極めで合格した人のレベルだけを確定します。何人分もあるときは、スキルマップの [選んでまとめて変更] でまとめて確定できます
設問・確認テスト・比較の結果と、自動評価でレベルが上がった根拠は、自動で記録に残ります。人が書くのは、見極めで気づいたことだけです。どれも個人ページにまとまるため、一人前になるまでの経緯を後から1か所で確かめられます。
4. 教えた後を見る
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この段階で使う機能 |
- 現場の設備や帳票から、該当の手順をすぐ開けるようにします。QR コードのほか、共有の [指定の手順から開く] で、手順を指定した URL を発行できます。既存の帳票(Excel・Word・PowerPoint・PDF)には、項目ごとに手順へのリンクを自動で差し込めます(既存のExcel・Word・PowerPoint・PDFに手順へのリンク自動追加)。電子帳票のアプリに設定する場合は、そのアプリの、リンクを開く機能を使います
- わからないときに聞く人として、スキルの育成担当を決めておきます。育成担当は、自分の「教え子」の一覧から状況を確認できます(スキルの育成計画(期間・担当者)を設定する)。一覧の [要再確認] で、ひとり立ちの後につまずいた教え子を絞り込めます
- 様子は、自動で残る記録で見ます。現場での閲覧・ひとり立ち・自動評価の育成記録が、個人ページの [育成] タブと [閲覧記録] タブにまとまります。気づいたことがあるときだけ、育成記録を書き足します
- 仕事についた後に関連手順書をひとり立ちでやり切った実績も、自動評価でスキルレベルに反映されます。「Lv4 指導をできる」は、後輩の育成担当を任せるときなどに人が決めます
- 現場でよく開かれる手順書は、まだ迷いが残っている箇所です。次の新人の教育で厚くします
指標を決める
新人教育の効果は、「新人1人あたり、ベテランが付き添って(対面で)教えた時間」を中心の指標にすると、測りやすく、費用対効果にもつなげやすくなります。あわせて、一人前までの期間と、教えた質(つまずき・ひとり立ち)を見ます。
| 指標 | 測り方 | Dive で見る所 |
|---|---|---|
| 新人1人あたりの、ベテランの付き添い時間 | 導入前と導入後に、新人1〜2人分だけ、段階ごとに付き添った時間を測る(毎回の記録は要らない) | 手順書が代わりに教えた時間の見込みは、活用レポートの経済効果(閲覧の記録から自動で計算) |
| 一人前までの期間 | 割り当ての日から、目標のレベル(例:Lv3)に上がった日までの日数 | 個人ページ:コースの割り当てと修了・確認テストの合格日・ひとり立ちの日・スキルレベルが上がった日(自動評価の変更履歴) |
| 教えた質 | 確認ポイントでのつまずきと、ひとり立ちの割合 | 手順書ごとの閲覧記録・活用レポートの誤答率・つまずき・自力完了率 |
| 手順書を作る時間 | 従来の作り方での時間と比べる | 活用レポートの作成時間(編集にかかった時間) |
今の時間を段階に分けて、目標を決める
直近に教えた新人で、ベテランが付き添った時間を4段階に分けて書き出します。段階ごとに「Dive に任せる部分」を決めると、残る時間がそのまま目標になります。次の表は、1人あたりの例です。数字は自社の実績に置き換えてください。
| 段階 | 今の付き添い時間(例) | Dive に任せること | 目標(例) |
|---|---|---|---|
| 1. 習う準備をさせる | 2時間 | コースの割り当てと期限、スキルマップで伝える | 1時間 |
| 2. 作業を説明する | 12時間 | 動画手順書と確認テストに任せ、人は質問に答える | 2時間 |
| 3. やらせてみる(練習) | 10時間 | 手順ごとの設問と手順書と比較で、新人が自分で確かめる | 3時間 |
| 3. やらせてみる(見極め) | 4時間 | 比較の結果で的を絞って立ち会う | 3時間 |
| 4. 教えた後を見る | 2時間 | 現場で手順書を開けるようにし、育成担当が記録で様子を見る | 1時間 |
| 合計 | 30時間 | 10時間(約67%減) |
導入後も、新人1〜2人分だけ、同じように段階ごとの付き添い時間を測って目標と比べます。毎回記録する必要はありません。それ以外の数字(一人前までの日数・つまずき・ひとり立ち・経済効果)は、Dive が自動で集めます。
費用対効果に換算する
ベテランが付き添った時間そのものは、Dive では測れません。導入前の時間を測って、活用レポートの [経済効果・ROI] タブの前提値に入れると、手順書が代わりに教えた時間として、時間・金額・ROI に換算されます。
1. 測った値を、前提値に入れる
| 測るもの | 入れる所(前提値) | 既定値 | 測り方の例 |
|---|---|---|---|
| 手順書1件分の作業を、ベテランが付きっきりで教えていた時間 | [初期教育代替] の「初回閲覧 ○件 × ○分」の分 | 30分 | 上の表の「2. 作業を説明する」の今の時間を、教えた手順書の本数で割る(例:12時間 ÷ 18本 = 40分) |
| 作業中に詰まって聞かれたときの、1回あたりの時間(新人が待つ時間・ベテランの手が止まる時間・説明の時間) | [質問代替] の「再閲覧 ○件 × ○分」の分 | 15分 | 1〜2週間、聞かれた回数と時間を控えて平均する |
| 現場の人の1時間あたりの人件費 | [効果の内訳] の右上の [人時単価] | 3,000円 | 社内で使っている単価があれば、それを使う |
| 従来の作り方で、手順書(作業標準書)を1件作っていた時間 | [作成効率化] の「従来の手順書作成工数 ○分」 | 90分 | 直近に作った数件の実績から平均する |
値は、[経済効果・ROI] タブの [効果の内訳] にある青い数字(ペンのアイコン)を押して入力し、[保存] します。前提値はチーム全体で1つです。測り直したら、その都度実際の値に更新します。
2. 新人の分に絞る
活用レポートの上部で、[期間] を教育の期間に、[グループ] を新人のグループにすると、その範囲の閲覧だけで計算されます。新人を1つのグループ(例:2026年度入社)にまとめておくと、教育の効果をそのまま取り出せます。
3. 結果を読む
- [初期教育代替]:新人が初めて手順書を見た回数 × 教えていた時間です。ベテランが付きっきりで教えずに済んだ時間の見込みとして読みます
- [質問代替]:同じ人が同じ手順書を見返した回数 × 聞かれていた時間です。ベテランが手を止めずに済んだ時間の見込みとして読みます
- この2つの時間の合計を新人の人数で割ると、1人あたりの削減時間の見込みになります。指標の「今の時間 − 目標の時間」と比べます
- [作成効率化]:手順書を作る時間の差です。教育の効果とは分けて読みます
- [節約金額]・[ROI 倍率]・[④ 投資回収期間]:ROI 倍率は、節約金額 ÷ 期間の料金です。1.0倍で元が取れ、3.0倍なら料金の3倍の効果です。投資回収期間は、料金を何日で回収できるかの目安です。料金はチーム全体の契約にかかるため、ROI 倍率と回収期間はチーム全体の範囲で見ます。新人の分だけに絞ったときは、節約時間と節約金額を見ます
例:新人3人が教育の期間に初めて見た手順書が延べ54件、見返したのが延べ120件で、教えていた時間を40分、聞かれていた時間を10分、人時単価を3,000円にした場合、初期教育代替は36時間、質問代替は20時間で、合計56時間・16.8万円です。1人あたり約19時間の削減の見込みになり、上の例の目標(30時間 → 10時間で、20時間減)にほぼ届いていると読めます。
[Excel出力] の「経済効果・ROI」シートには、同じ数字と前提値が出力されます。社内の報告資料にそのまま使えます(活用レポートで導入効果を確認する)。
判断する
- 月に1回など決まった間隔で、同じ条件(期間・グループ)の数字を並べます
- 経済効果の見込みと、測った実際の付き添い時間を比べます。差が大きいときは、前提値を実際の値に直すと、次からの見込みが実態に近づきます
- 2人目・3人目を同じ物差しで並べると、一人前までの日数や、つまずく箇所のばらつきが見えます。ばらつきが小さくなっていれば、教える人によらず同じ質で育っていると判断できます
目標に届かないときに見る所
| 起きていること | 見る所 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 2の説明に、まだ人が付いている | 確認テストで間違いの多い問題。手順書ごとの閲覧記録で、まだ見ていない人 | 間違いの多い問題に当たる手順の、文章と急所を足す。見ていない人に声をかける |
| 3の練習で、付きっきりになる | つまずきマップで、詰まっている確認ポイント | その手順に NG の例を足す。設問を見直す。手順書と比較で、新人が自分で確かめる形にする |
| 見極めの立ち会いが長い | 比較の結果(抜け・順序違い・時間の差) | 立ち会う前に差を確かめ、見る所を絞る |
| 4で、何度も呼ばれる | 現場でよく開かれる手順書(活用レポート・閲覧記録) | その手順の説明を厚くする。QR や帳票のリンクで、その場で開けるようにする |
| スキルが上がらない | スキルの [このスキルの身につけ方](コースの修了・関連手順書ごとのひとり立ち) | 残っているコースや手順書を割り当て直す。ひとり立ちできない手順は、つまずきマップで原因を見る |
| 経済効果が小さく出る | 閲覧数・未閲覧の手順書。前提値が既定値のままになっていないか | 手順書が見られる仕組み(割り当て・QR)を整える。前提値を実際の値に直す |
関連
- 教育機能:コースの作り方・割り当て方・到達状況の見方
- 手順書の設問と確認テストを使い分けてスキルを評価する
- 手順書ごとの閲覧記録を確認する(見た人・実施記録・つまずきマップ)
- 活用レポートで導入効果を確認する
- 個人ページ(1人のユーザーの教育・育成・資格・比較・閲覧記録を一望する)
- 運用時のスキルマップ活用方法
- 作業分析の概要と始め方
- コース修了・資格取得・手順書の実績でスキルレベルを自動更新する
- メンバーのスキルレベルを設定する
- チーム共通のスキルを定義する(スキルマップの共通設定)